食の安全を考える【菓宗庵】
製菓衛生師が考える食の安心と安全
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製菓衛生師という厚生労働省管轄の国家資格があります。昭和41年に制定され都道府県知事が行う製菓衛生師試験に合格することとされています。製菓製造業に従事するための必須条件資格ではありませんが、食の安全と安心の担保するための知識を得るためにその重要性が年々高まっています。

習得科目
・衛生法規
・公衆衛生学
・食品学
・食品衛生学
・栄養学
・製菓理論および実技
目次
食品が食べられなくなるとは
現在の食品保存について
保存の落とし穴
食中毒とは(地球に必要の無い生物はいないので菌との共生)
食中毒の代表的な原因(菌・カビ)
アレルギー
なぜ偽装隠蔽はなくならないのか
1.食品が食べられなくなるとは
・細菌やカビ・酸化などが増えることにより腐敗し食することにより健康に害を及ぼす状態になること。
・腐敗はしていないが、乾燥等により食するに適さない状態になること。
食べることが出来なくなることは、大きくこの二つに分類されます。
現在の食品には、賞味期限・消費期限が表示されておりその表示日付/日時により判断を致しますが、正確にはその日付が食べられなくなる日付ではありません。消費期限は、5日以内の商品の表示ですからそれから相当な日数は持ちませんが、賞味期限に関しては日付を越えてかなりの日数持ちます。賞味期限は、企業が、相当に悪い環境においてでも責任を免れる日付を設定しています。
勿論、食べ物ですから早くお召し上がるのは当然ですが、賞味期限の設定の意味も少し知っておけば、捨ててしまう食物資源が捨てられずにしかも安心して食べることができ、強いては環境に優しいことになります。
2.現在の食品保存について
腐敗する原因を取り除けば、食品は日持ちいたします。(但し、美味しく無くなるのは間違いありませんが。)
腐敗の原因を取り除く方法として、冷凍保存・冷蔵保存・脱酸素・アルコール殺菌・加熱殺菌等の方法が御座います。また、素材そのものが、腐敗防止効果を持った素材があります。塩・砂糖は、腐敗抑制効果があり、現在ではあまり使われなくなりましたが防腐剤もその効果を期待できる素材です。

冷凍保存は、非常に有効で有り確実で安全性の高い保存方法です。スーパーでお肉や魚を購入して冷凍庫に入れておけば消費期限を無視して食材として使っても気にしませんよね。冷凍保存は非常に有効です。但し、冷凍温度は注意してください。必ずマイナス18度以下であることを確認してください。また、温度は低い方が良いと言うことも覚えておくと良いと思います。(詰め込み過ぎOK)

冷蔵保存は、生ものの一時的な保存で長期保存は期待できません。温度は、5度前後で詰め込み過ぎは厳禁です。冷気が通るように入れてください。

脱酸素保存は、現在の日持ちのする食品の多くに利用されています。菓宗庵でもほとんどこの方法を採用いたしております。
包装容器の進化により可能となった方法で、密封状態の中に食品と脱酸素剤を入れます。密閉状態の中の空気の構成成分の酸素を取り除きます。
空気の構成要素で一番多いのが窒素78%次いで酸素21%残り1%をアルゴン・二酸化炭素などで、酸素の無い状態にいたします。これにより、ほとんどの細菌やカビ・酵母が細胞分裂が出来なく成り休止状態になります。従って、腐敗防止効果も非常に高くさらに、酸素が無いので酸化も防げます。商品に不要な保存添加物を使うこと無くかなり長い保存に絶えますのでとても良い保存方法だと考えています。但し、袋およびシール部分にピンホールが発生した場合、全く効果が発揮出来ず腐敗が進んでしまいます。(現在では、脱酸素剤にチェッカーが着いており、チェッカーがピンクならば正常、紫の場合異常と目視で判断出来るようになっています。

アルコール殺菌は、アルコールを直接噴霧する方法で殺菌する方法と、アルコール蒸散剤より脱酸素剤と同様に容器に密封し密封状態の中でアルコールの蒸散作用により殺菌する方法があります。
前者は、家庭でも多くの皆様が台所等でご利用されている方法で、後者は食品の保存手段として使われています。
保存手段としての脱酸素剤との違いは、細菌を殺菌するところが根本的に異なります。アルコール蒸散作用による殺菌保存方法は、開封時の瞬間にアルコール臭が御座いますがすぐににおわなくなります。

加熱殺菌は、温度により殺菌する方法です。
加熱調理すること自体が加熱殺菌であります。毎日の食生活で普通の出来事です。
缶詰や牛乳なども熱殺菌方法です。
食べる直前に加熱処理を行うため、この方法に勝る殺菌方法はありません。保存方法についてからは多少脱線いたしましたが、確実な殺菌方法です。
3.保存の落とし穴
冷凍保存の落とし穴は、冷凍すると食品の細胞組織の中の水分が氷り膨張することによりその組織を破壊するので解凍後、水分が離水します。(ミートドリップなど)この現象に見舞われる食品は、冷凍することにより一段階品質が低下することを前提に致しましょう。

冷蔵保存は、保存効果は長くありませんのでご注意ください。

脱酸素保存は、脱酸素剤のチェッカーがピンクであることを確認してください。また、脱酸素包装の場合の異常は袋が膨らんだ状態が疑わしい状態です。密閉容器内で、菌が増殖するときに二酸化炭素をはき出します。その二酸化炭素が増えれば膨らんできます。
製造者は細心の注意をし、製造にあたっていますが、酸素が嫌いな細菌もいます。ボツリヌス菌がその代表的な菌でありまれではありますが過去に食中毒の事故が起こった事があります。しかし、ボツリヌス菌は、土壌の中や海底湖底の酸素の無いところにいますので、直接接することの少ない菌です。さらに、酸素があるもとでは増殖しないのが特徴です。製造者の不注意が原因のため知っておく程度で良いと思います。(ボツリヌス菌は、細胞分裂時に出来る毒素が食中毒の原因です)

アルコール殺菌は、アルコールの濃度に注意が必要です。一般市販のアルコール殺菌の使用上の注意を読み濃度を変更しないことが重要です。濃度が低くてもだめ、濃すぎてもだめなんです。
アルコール蒸散による保存は、理想的な保存方法ですが開封時のアルコール臭による誤解を招くことが普及の妨げになっています。

加熱殺菌の落とし穴は、ブドウ球菌のような増殖中の毒素によるもので、細菌自体が熱殺菌で消滅しても毒素が残りその毒素で食中毒になります。
しかも、どこにでもいる菌なので汚染を100%取り除くことは出来ない菌です。加熱調理後、常温で長時間放置は要注意です。
4.食中毒とは
食品中の細菌や毒素・カビ酵母・寄生虫などにより健康を害すること。
1から3において記述したことを参考にして、自分および家族の皆様の食品における事故をなくすための知識の足しにしてください。
消費期限・賞味期限は、重要な判断要素です。が、安全を守る最後の砦は自分です。
どんなに責任が製造者や販売者にあったにしても痛い思いをするのは自分なんです。

賞味期限は、平成7年に制定されたルールでそれまでの製造日を表示する必要がなくなりました。なぜルール変更がなされたかといえば、一番大きな理由は外国からの圧力だと考えています。海外からの輸入食品の場合、製造日を表示すれば明らかに日数的には不利で有ることは理解できます。それを是正するには、食べられなくなるゴールを表示すればのそ問題はクリア出来ます。なんとなく、納得出来たのか出来なかったのかよくわかりません。

食中毒を防ぐための最も重要な事は、細菌やカビの増殖を防ぎ遅らせることにつきます。手洗いよりも大切だと考えます。
菌やカビの増殖の要素は、酸素と栄養と温度です。この要素の1個でも無くなると増殖力は急激に落ちます。
菌やカビと人間の生活は、共生しているおり適度なところで折り合いを付けていくべきでは無いかと考えています。
なぜならば、普通の環境で菌やカビを絶対にゼロには出来ないからです。
韓国で起きた、加湿器の殺菌剤によるあまりに悲しい出来事が起こりました。
今、地球環境の中で様々な生物が共生出来る世界として生物多様性という概念が定義されています。
なんだかんだとと言いながら、文明は時として経済を優先して人に災いをもたらせます。
災いを防ぐ有効な方法は、知る事に他なりません。伝統に裏付けられた先人の知恵も文明の災いや自然災害から守るために必要な知恵であることを東日本大震災は教えてくれました。
5.食中毒の代表的な原因
ノロウイルス=二枚貝が感染し、人の腸内のみ増殖し僅かな増殖で食中毒症状を発生させる。飛沫感染も感染力が強く厄介物
腸炎ビブリオ=海に生息し魚介類に付着して家庭にたどり着きます。気温が高い時期の海産物には必ず着いていると考えてください。
サルモネラ=鶏卵の特に殻に付着。していますが、食中毒発生頻度は低いのであまり心配ないが、加熱調理を推奨。
病原性大腸菌=O157に代表される厄介な大腸菌で水などで集団発生しやすいので生水注意
カンピロバクター=鶏肉に付着し特に生食注意
ブドウ球菌=人自体に付着しているので接触頻度は高いが、菌自体に毒性はなく細胞分裂時に毒素を作るので調理品を即食べればOK
ボツリヌス菌=空気が嫌いなので滅多に遭遇しづらい菌です。家庭料理では食中毒の可能性は低い

過度な心配は必要無いと考えています。
正しく理解し、細菌の増殖の環境を取り除けば発生率は低下していきます。必要なことはきちんとしましょう。
6.アレルギー
お菓子の原材料は、アレルギーの特定原材料に指定されている卵・小麦粉・乳製品が製品の重要な構成要素になっています。
また、お菓子の食感改良に加える素材は、大豆由来や乳由来の素材もあり、アレルギー症状のある方は、ご注意くださいませ。

アレルギーは、人それぞれ現れ方も症状も異なります。また、その時の健康状態、年齢、体力、メンタルなど様々な他の要素が症状に変化をもたらせます。自分自身の許容量を自分で理解することが、自分を守るになります。
そういう自分も、生まれたときからアトピー性皮膚炎と診断され、小児喘息を発症し人生アレルギー反応とおつきあいの人生です。
アレルギーに関する相談は、自分の事の様に心配になりますが、様々すぎて軽はずみなアドバイスは出来ません。
私は、だに・ほこり・小麦粉の3つのアレルギーが中心です。小麦粉アレルギーはお菓子職人にとって致命的なアレルギーです。
小麦粉アレルギーは、35歳頃に症状が現れました。職業病かもしれませんが、小麦粉を呼吸器から吸い込むと喘息症状が出てしまいます。
アレルギー検査を実施すると反応は確認出来ますので小麦粉アレルギーであることは間違いありません。しかし、現在の所幸いにも食物からの摂取においてはアレルギー反応は現れていないので通常の食生活をおくり、小麦粉アレルギーを考えないようにしております。
7.なぜ偽装隠蔽はなくならないのか
日本の近代流通は、生産者-卸売り市場-小売店の順に流通します。但し、時代が進につれて移動の距離が長くなって来ています。
そして、最近はこの図式がすっかり壊れた来ました。大手スーパーが、生産者から直接仕入れ販売する形や、生産者がインターネットを通じて直接販売するなどしてすっかり様変わりしてきました。過去にも偽装や隠蔽はあったと思います。そこには、誰か個人が直接的な不正で儲ける形の犯罪的要素の偽装隠蔽です。しかし、最近の偽装隠蔽は、個人的な悪意ではなく組織的な何かの圧力により個人は知っていながら不正を見過ごさなければならない事態が多く感じられます。今の日本の社会は、前後の財閥解体でこじんまりした社会から、メガバンクの登場のように大手同士が合併しさらに持ち株会社設立でHD化という新しい財閥が形成されていると感じます。それ自体は、世界競争力向上のためには必要な事かもしれませんが、企業が大きくなりすぎトップと一般社員との距離が開き、トップの指示により場合によっては無理難題が部下および取引各社に及ぶ可能性があります。お客様と直接接する担当者は、偽装隠蔽を進んで絶対しません。得はないですから。しかし、お客様から遠い立場で、なおかつ権限をもっているポストの人の多くはライバル社との過激な競争にたたされ行き詰まった上にやってはならないことに手を染めてしまっているのではないかと思います。
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